アメリカザリガニ、「特定外来生物」指定を検討。

生態系への影響が深刻とされながら、これまで指定が見送られてきた「アメリカザリガニ」について、環境省は「特定外来生物」に指定し、野外で繁殖しないよう規制する方向で検討を開始した。来年の通常国会に改正法案を提出し、早ければ2023年にも規制を始める方針。

アメリカザリガニを除く外来ザリガニは、2020年11月2日から規制が始まっている。指定を受けると現在飼育中の個体でも国の許可が義務付けられるため、手続きの煩雑さが嫌がられて川や池への大量放棄につながる恐れがあるとして、アメリカザリガニの指定は見送られてきたが、在来種や農作物への被害が報告されており、指定する方向で検討が進められている。
指定にあたり環境省の専門家会議では、輸入や販売、野外への放出を禁止するが、ペットとしての飼育のあり方の詳細に関しては今後議論を重ねるとしている。
アメリカザリガニは1927年にウシガエルの餌として利用するためにアメリカから輸入された。養殖場から逃げた個体が繁殖し、1930年代には東京、埼玉、千葉方面へと伝播したと考えられる。その後、人為的な放流などにより日本各地に定着、本州〜沖縄までの都市部の里山、水田、用水路、溜池などに広く定着。北海道でも温水が入り込むような水域で定着している。

参考リンク:日本の外来種対策「アメリカザリガニ」(環境省)