植物病害虫の侵入・まん延防止に向けた対策を実施。

畜産業に甚大な影響を与える口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の伝染性疾病が、近隣のアジア諸国において継続的に発生。2018年8月には、中国でアジアでは初となるアフリカ豚コレラが確認され、モンゴル、ベトナムでも確認された。
これらの伝染性疾病の海外からの侵入を防ぐため、日本では、アジア地域における疾病の発生予防とまん延の防止を強化するための国際協力、空港・港での検疫等の水際措置、国内農場での飼養衛生管理基準の遵守徹底による三段構えの対応について一層の強化・徹底を図っている。
近年の訪日外国人の急増等に対応するため、家畜防疫官の増員のほか、動植物検疫探知犬を増頭。さらに、海外の家畜の伝染性疾病の発生状況や肉製品の持込禁止については、ウェブサイトやSNS等を通じて積極的に情報を発信している。
病害虫の国内への侵入を防止するため、量や商用・個人用を問わず、貨物、携帯品、郵便物で輸入される植物を対象に検疫が行われている。また、国内で病害虫のまん延を防ぐため、国が指定した種苗の病害虫検査や寄生植物等の移動禁止により病害虫を封じ込め根絶するための取組も進めている。
このほか、動物分野における抗菌剤の不適切な使用により薬剤耐性菌が増加すると、家畜の治療を難しくしたり、畜産物等を介して人に伝染したりする。これを防止するため、抗菌剤の使用は真に必要な場合に限定する必要がある。
農水省では、抗菌剤の慎重使用等の薬剤耐性対策を実施。抗菌剤の飼料添加物としての指定の取消しを進めたほか、「国際獣疫事務局薬剤耐性及び動物における抗菌剤の慎重使用に係る世界会議」へ参画し、国内では公開シンポジウム「薬剤耐性対策の今を知る会」を開催。さらに動画やガイドブック等による抗菌剤慎重使用に関する啓発、養殖魚や愛玩動物の薬剤耐性菌の全国的な動向調査も行った。