クビアカツヤカミキリの木から出て活動する初発日を予測。

桃や梅の木を食害する特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の成虫が木から出て活動を始める日（初発日）を、気温から予測する方法を栃木県農業試験場が開発。

クビアカツヤカミキリは、樹木内で2〜3年を過ごし、幼虫は蛹になるまでの1〜2年間、木の中を食い荒らす。成虫は6月から夏にかけ木から出て活動・繁殖を始める。
研究では、栃木県内5ヵ所の発生圃場で発育と温度の関係を調査。幼虫の発育に必要な最低温度（発育零点）が8.9度、成虫に育つまでに必要な有効積算温度（1日の平均温度が発育零点を上回った値の累積値）が620度であると解明。これらの温度は地域によって異なるが、同じ場所で数年間初発日を調べれば、どの地域でも気温データを基に産出が可能となる。
発生時期の予測は、幼虫が冬眠から覚める2月1日を起点とし、5月末までの実際の気温と、それ以降は平年値で有効積算温度を計算して成虫の初発日を導き出す。
栃木県佐野市で2018年〜2021年にかけ、この方法を用いた予測と実際の初発日との差を検証。2018年と2021年は誤差なし、2019年と2020年は誤差1日という結果になった。
クビアカツヤカミキリの防除は、成虫の発生予想時期にあわせ、定期的に農薬を樹木全体に散布、成虫を見つけたら捕殺を行う。被害にあった木は活動を始める前にネットで被覆し、成虫が他の木に拡散するのを防ぐ。

参考リンク：栃木県農業試験場