乳牛の飼料として竹を活用。放棄竹林対策にもつながる。
粉砕した竹を乾草の代わりに飼料に混ぜ、乳牛に与える技術を愛知県農業総合試験場が開発。 輸入飼料の高騰対策と同時に、放棄竹林の対策にもつながると期待がもたれる。
モウソウ竹を粉砕機で粉状にし、竹粉の腐敗を防ぐため酢かす(酢を製造する工程で出る副産物)を重量比で20%添加。酢かすにより水素イオン指数(pH)は4前後となり、常温で保存しても腐敗しない。
出来上がった竹粉を、乾草(スーダングラス)の代わりに完全混合飼料(TMR)に約10%混ぜ、分娩後の乳用牛2頭に115日間与えたところ、飼料の乾物摂取量は通常のTMRと比べて同等またはそれ以上で食いつきが良く、乳量も良好だった。4%FCM乳量(乳脂肪を4%に換算した年間乳量)でも、通常のTMRを与えた牛と遜色がなかった。
竹粉は粉という形状のため、飼料中の牧草をすべて置き換えることは難しいが、高騰する輸入飼料への依存を減らすことができ、また各地で問題になっている放棄竹林の有効利用にもなる。
参考リンク:愛知県農業総合試験場