温室効果ガスの削減目標、農林水産分野で3.5％を担う。

2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46％削減する政府目標のうち、3.5％分を農林水産分野で担うため、農林水産省は「地球温暖化対策計画」を改定。

政府目標では2030年度までに46％削減、2050年度までに実質ゼロを掲げている。2017年に農水省が策定した計画では、うち2.8％を担うとしていたが、今回の改定で目標を引き上げた。
新たな目標の3.5％は、温室効果ガス排出量を二酸化炭素換算で、2013〜2030年度の累積で約4,953万t削減する必要がある。このうち、施設園芸分野では2030年度までにヒートポンプや木質バイオマス暖房機、循環扇やカーテンなどの省エネルギー機器・設備の導入を増やすことで155万t削減する。
堆肥や緑肥などの有機物の利用や、剪定枝などのバイオマス（生物資源）由来のバイオ炭を土壌に施用するなど、排出削減と同等の効果が期待できる二酸化炭素の土壌貯留で2030年度までに850万t削減する。
農林水産分野で最も大きな削減量を期待できるのは、森林による二酸化炭素の吸収で、全体の8割近い約3,800万t。
温暖化への対応方針である「農林水産省気候変動適応計画」も改定。高温に対応した技術や品種の研究・普及を推進する。

参考リンク：農林水産省