ドローンとスマートグラスを利用した、桃せん孔細菌病の防除。

桃せん孔細菌病の防除に、ドローンとスマートグラスを組み合わせた防除方法の研究を山梨大学が進めており、2022年度の実用化を目指す。

桃せん孔細菌病は、枝で越冬した細菌が、春から夏にかけて枝、葉、果実に感染し、果肉に病斑を作る。薬剤だけでは防除が難しく、被害を受けた枝の耕種的防除を行うが、高所の枝や葉、果実の被害を確認するためには高所作業が必要となり、高齢化が進む農家には負担が大きい。また新規参入した農家では的確な病斑の切除も困難となる。
研究では、カメラを搭載したドローンで撮影した画像と、圃場内に設置した気象ステーションのデータ、各種統計データを元にした地理情報システムを構築。情報の可視化・関係性の把握をする。さらに画像解析で検出した切除箇所をスマートグラス上に表示する病斑検出装置を開発し、熟練農家でなくても適切な病斑切除ができるようにする。スマートグラスの使用で切除箇所を確認しながらの作業が可能になる。切除した被害部分はPCR検査で病原菌の有無を検査し、病斑検出アルゴリズムの構築に反映、検出装置の高精度化を行い、実圃場での網羅的な病斑検出技術の開発を目指す。

参考リンク:山梨大学