機能性米を加工品にして米需要を開拓する。
血糖値の上昇を緩やかにする難消化性デンプン(RS)や消化されやすいタンパク質「グルテリン」の含有量を減らした高機能米の生産を、健康に気を配る消費者に提案して米消費の増加を図る。
胃や小腸で消化されずに大腸まで達する難消化性デンプン(RS)や、食物繊維を多く含んだモチ米「アミロモチ」は、悪玉コレステロールを下げ、脂肪蓄積抑制効果のあるγオリザノールも多く含有するが、極小粒で硬い食感が残る。また、効果を期待するなら1日20グラムの摂取が必要なため、シリアルバーやゼリー飲料などの開発が進められている。
同じくRSを多く含むうるち米「まんぷくすらり」も、一般的な米に比べて食感が硬いため、もち米と混ぜておこわにしたり、米菓への加工に向く。
一般的な品種に比べてグルテリンの含有量が3分の1程度の「春陽」は、慢性腎不全など食事制限でタンパク質の摂取量を抑える必要のある患者に向き、医療機関向けに一定の固定需要がある。
機能性米の効果を科学的に証明するのは困難だが、今後は販売時に機能性の表示を行えるようにすることが課題になると考えられる。