大規模な気象災害の増加で、世界の農家13億人が災害の危険にさらされる。
地球温暖化の影響から、世界中で洪水や干ばつなどの大規模な気象災害が増加している。災害の増加にともない農業被害も増加。温暖化が更に進めば、農業地帯の7割に悪影響を与え、13億人の農業者が災害の危険にさらされる、と国連防災機関が警鐘を鳴らしている。
2000〜2019年に世界で発生した大規模自然災害は7,348件。その前の20年間(1980〜1999年)と比較して74%の増加。被災人口は延べ40億3,000万人で、同24%の増加。
このうち洪水や干ばつなどの気象災害は6,681件で全体の91%、同83%の増加。被災人口は延べ39億人で同22%の増加。
災害別に見ると、最も多いのが洪水の3,254件で、前20年間と比較し134%の増加。干ばつは338件/同29%増だが、被災人口が延べ14億3,000万人と多く、被害が広範囲に及び、長期的に農業と飢餓に影響を与える重大な災害であると位置づけられる。
干ばつは約4割の134件がアフリカ大陸に集中。2016年とその翌年には東アフリカ地域で2,000万人以上が被災している。
温暖化による降雨パターンと降水量の変化は、洪水や干ばつ発生を増やし、7割の農業地帯に悪影響を与え、13億人の農業者を災害の危険にさらし、世界の食料安全保障の脅威となると考えられる。