世界の飢餓人口は6億9,000万人。新型コロナウイルスで更に1億人以上が栄養不足に陥ると予測。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済、食料、健康システムの混乱は、世界中であらゆる形態の栄養不良を悪化させ続けると予想。国際連合食糧農業機関(FAO)ほか4つの国連機関(IFAD,UNICEF,WFP,WHO)は7月に共同で「世界の食料安全保障と栄養の現状」2020年版を発行。SDGsの目標2(飢餓の撲滅)の進捗状況を評価。
現在、世界人口の8.9%にあたる6億9,000万人が飢餓に苦しんでいる。世界の飢餓人口はしばらく減少傾向にあったが、2014年から緩やかな増加に転じている。更に、新型コロナウイルスにより8,300万人〜1億3,200万人が栄養不足に陥ると予測。飢餓人口はアジア地域が世界の半数以上を占めているが、2030年にはアフリカ地域が半数以上になるとの予測もある。
食料不安は飢餓以上の課題と認識されており、現在約20億人が中程度・重度の食料不安を経験している。また、飢餓や食料不安だけでなく、子供の発育阻害や大人の肥満など、様々な形の栄養不良が課題として残り、国際栄養目標(2025年期限)やSDGs(2030年期限)に対する進捗は遅れているとの評価。SDGsの目標2を達成するためには、人々が十分な食事を食べていること、その食事は栄養価が高く、入手可能であることが必要。今年の報告書でははじめて「健康的な食事へのアクセス」に注目している。