キノコ廃菌床から発生する揮発性物質がキャベツ黒すす病を抑制。廃菌床でも効果。

キャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科の作物に黒紫色の病斑を作る「キャベツ黒すす病」の防除に抗菌作用があるきのこの香り成分が有効であることがわかった。

キャベツ黒すす病は、糸状菌の一種により引き起こされる病害。葉に円形の病斑を作り、種子伝染するため、殺菌剤による種子消毒や種子の選別、育苗時の定期的な殺菌剤の散布などの防除法が取られている。
鳥取大学は、きのこの香り成分が植物の病気を防ぐのではないかと研究を進め、ブナハリタケ、ブナシメジ、ヤマブシタケなどが揮発性抗菌物質を生産することを発見。実証実験では、ブナハリタケ、オリーブウロコタケなどの揮発性抗菌物質が菌を抑制。ブナシメジでは菌床栽培で収穫したあとの菌床(廃菌床)でも抗菌物質が放出されており、糸状菌の胞子発芽を抑制することが分かった。また、これらの揮発性抗菌物質は香りが少なく、植物にも影響がないことも分かった。今後は実用化に向け、より強い抗菌力を持つ物質や、不快感を与えない匂いの少ない物質の探索、人・動物への安全性の確認を進める。

参照リンク:鳥取大学