供給過多、暖冬で野菜相場、低迷続く。農家の危機感。

野菜相場が低迷している。1月下旬の平均価格は、キャベツが過去5年平均比39%安で、過去10年の同時期でも最安値の1kg54円。ハクサイも過去5年平均比32%安の44円と苦戦。暖冬で西南暖地産を中心に潤沢な供給が続く一方、鍋物の需要が振るわないのも一因。供給過多の状況は3月まで続く見込みで、産地は危機感を大きくしている。
2月中旬になっても主要品目のうち、半数以上の品目で平年を下回り、下旬も安値基調が続いている。
低迷に拍車を掛けるのが、年明けから続く暖冬。東京都の1月上旬と中旬の平均気温は平年を1度以上上回っており、鍋物需要が盛り上がらなかった。首都圏の中堅スーパーでは、鍋物向けにハクサイの4分の1カットの売価を下げ販売しているが、消費は伸び悩んでいる。
価格低迷を受け、農家からは悲痛な声も上がる。全国屈指のキャベツ産地では、相場低迷で完全な採算割れを嘆く農家も。豊作でも農家の手取り確保が非常に厳しくなっている。ハクサイ産地、茨城県は昨冬も厳しい相場だったが、昨年秋になって相次ぐ台風被害があり、最近は暖冬や雨続きで芯に穴が空き、出荷できないハクサイも多い。