世界のダイコン500品種のゲノム情報を特定、公開。
世界中で広く栽培され、欧州にはハツカダイコン、南アジアや東南アジアにはサヤダイコン、東アジアでは根が大きく太るタイプと、根の形、大きさ、色、成分など地域ごとに異なる特徴を持つダイコン。特に日本では各地に特徴的な品種があり、100を超える地方品種が存在する。
これまでダイコンは、多様な特徴が遺伝的にどのように決まるかがほとんど解明されていなかった。東北大学はかずさDNA研究所、農研機構の協力を得て500種を超えるダイコンのDNAを分析。品種間で異なる部分を解明。
世界のダイコンは大きく4つのグループに分類され、日本の品種は東アジア(中国・韓国)のグループとは異なり、独自のグループを形成することが判明。これまで日本のダイコンは中国・韓国を経由して伝播したと考えられてきたが、今回の解析により南アジア・東南アジアを経由して南西諸島・南九州に伝播し、日本国内に広まったという可能性が見いだされた。
今後は、ダイコン特有の特徴をつくる遺伝子の探索やゲノム情報を利用した品種開発などへの応用が期待される。また、地方品種の類縁関係の詳細を明らかにすることで、ダイコン資源保全の指標づくりへの活用が期待される。
参考リンク:東北大学