無花粉スギの原因遺伝子を特定。
大きな社会問題のひとつとなっているスギ花粉症。対策の基本は花粉発生源を減少させること。そのためには、「無花粉スギ」と呼ばれる雄性不稔スギの選抜と研究が行われてきた。新潟大学、森林総合研究所、東京大学と基礎生物学研究所による共同研究グループは、スギを無花粉にする遺伝子(雄性不稔遺伝子)を発見、雄性不稔遺伝子を持つスギのDNAを分析、識別する方法を開発。この方法で雄性不稔遺伝子を持つスギを100%の精度で正確かつ短期間で探索することを可能にした。
無花粉スギの花粉を飛ばさないという性質は、雄性不稔遺伝子で決定される。そのため、両親から無花粉になるタイプの遺伝子を受け継いだスギは無花粉となるが、片方が花粉を飛ばすタイプの遺伝子を持っていると、その子は花粉を飛ばすスギになる。
そこで、花粉を飛ばすスギと無花粉スギとの間で遺伝子の塩基配列の違いを解析、雄性不稔遺伝子の同定に成功。無花粉を示す遺伝子の変異をマーカーとしてDNA分析を行うことで、在来品種などから100%の精度で探索できる。
今後は開発した手法を用い、全国のスギから雄性不稔遺伝子を持つ育種素材の探索を進める。
参考リンク:新潟大学