世界初、菊のDNAマーカーを開発。

国内切り花生産の3分の1を占める栽培ギク。近年輸入品のシェアが増えており国内の増産が求められているが、そのためには生産性が高く病害虫に強い品種の開発が必要だ。ただ、多くの植物が遺伝子の染色体セット(ゲノム)が2セットの二倍体であるのに対し、栽培ギクはほぼ同じゲノムを6セット持つ同質六倍体という複雑な遺伝様式を持ち、これまでDNAマーカーの開発が困難だった。農研機構とかずさDNA研究所は、6セットあるうちの1セットのゲノムにのみ存在する配列の違いをDNAマーカー化することで効率的にDNAマーカーを開発する手法を確立。
この手法は、まず栽培ギクの近縁野生種で二倍体の「キクタニギク」と栽培ギクのゲノムを比較し、6セットのうち1セットだけに配列の違いがある部分を探索する。この配列の違いから関連解析と呼ばれる方法を用いて、より有用な性質と関係のある部分を選出し、DNAマーカー化する。
DNAマーカーを使うことで品種開発での時間と手間の軽減をすることができ、開発の効率化が見込まれる。