大規模経営に向く水稲の乾田直播利用拡大。

代かきなどの田植え期作業が軽減でき、大規模経営に向くといわれる水稲直播栽培、なかでも畑状態の田に種子を播き、苗立ち後に水を入れる乾田直播は、無代かきの効果で土壌の易耕性、耐水性や地耐力がよくなり、麦・大豆などとの輪作がしやすくなるなどのメリットがある。
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県の沿岸部では、農地の集積が促進。2015年のデータでは100haを超える経営面積の農業法人数が34と全国3位。直播栽培も面積を大きく伸ばし、09年の366haが 19年には3,089haと10年で8.4倍まで拡大。津波被害の大きかった石巻地域では、県内他地域より乾田直播栽培が大きく進展。直播面積は35haから660haまで拡大。その92%が乾田直播で、宮城県全体の39%を大きく上回る。拡大の背景には、農研機構開発の「プラウ耕・鎮圧体系乾田直播」の利用がある。
プラウ耕・鎮圧体系乾田直播は、プラウやレーザーレベラーなどの機械で土を均平化した後、ケンブリッジローラーなどで鎮圧して種を蒔く方法。水稲移植栽培では使わない機械が必要になるが、乾田直播栽培は今後も増加することが見込まれる。

参考リンク:宮城県