降雨後でも乾田直播が可能な「畝立て乾田直播機」を開発。

降雨後の圃場でも水稲の乾田直播の作業ができる作業機「畝立て乾田直播機」を農研機構が開発。
この作業機を使うことで、湿害対策や圃場の漏水対策、スクミリンゴガイ対策につながる。

水稲の乾田直播栽培は、移植栽培では必須となる育苗・苗運搬、代かき作業を省略することができるため、作業能率の向上が期待できる。作業機は、トラクターに取り付けて使用。条間30cmで7条分の直播が可能。回転する畝成形部で各条の高さ7cmの畝を立て、その上に種子を撒きローラーで覆土する。また、乾田直播では土を固めて漏水を防ぐ対策が必要だが、この作業機では畦塗りと同様に土を固めて畝を形成し、漏水対策も同時に行える。播種前後に雨が降っても、畝によって湿害が防がれ、また入水後には稲体が畝の上面にあるため、スクミリンゴガイの食害も受けにくいとみられる。
他の乾田直播では漏水防止に必要になる鎮圧や代かきの作業が省けるため、作業時間は10aあたり12分と短くなる。また、実証試験では移植栽培と同等の収量が得られている。
水稲と麦の二毛作を行う九州では、麦の収穫後に水稲を始めるまでの時間が短く、降雨が重なると適期作業がしにくかったが、この作業機を使用することで課題解消につながるとみている。

参考リンク:プレスリリース(農研機構)