挑戦的な研究「ムーンショット型農林水産研究開発事業」を支援。2050年までに成果を目標。
困難だが、実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題の目標を設定し、その実現を目指す「ムーンショット型農林水産研究開発事業」。農水省はこの挑戦的な研究開発の支援に乗り出し、2019年度補正予算案、20年度予算案で計51億円の財源を確保。
総合科学技術・イノベーション会議で決定された6つの「ムーンショット目標」のひとつに、「2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食糧供給産業を創出」がある。その中で想定される研究テーマのひとつに、土壌中の微生物の活用がある。もともと土の中にいる複数の微生物の力を今以上に引き出し、農作物が成長しやすい土壌をつくることで化学肥料を使わずに生産できるようにする。最適な微生物の組み合わせや、それらの働きを促せる最適の土壌環境の解明を目指す。他には、昆虫の機能を活用した循環型の食糧生産などを想定。2030年までにプロトタイプを開発・実証し、2050年にはグローバルに普及することを目標にしている。