種子法廃止、全国の自治体で独自の条例制定の動き。

政府が2018年4月に廃止した「主要農作物種子法」。都道府県に対し米、麦、大豆の優良な品種を制定して生産、普及を義務付けていたこの法律の廃止を受け、全国の自治体で同法に代わる独自の条例を制定・施行する動きがある。2019年までに11道県では条例の制定・施行がすんでおり、2020年4月にはさらに4県が条例を施行、8県の県議会でも動きがある。
同法が廃止された2018年のうちに条例を施行したのは山形県、埼玉県、新潟県、富山県、兵庫県の5県。2019年には北海道、福井県、岐阜県、鳥取県、熊本県、宮崎県が加わった。2020年4月には宮城県、茨城県、栃木県、長野県が条例を施行する。
これまで公的機関中心だった種子開発に民間参入を促す狙いで同法を廃止したが、将来的な種子の高騰や外資系企業の独占などを危惧する声が多かった。このため農業県を中心に条例制定が進み、他の自治体も追従する形となっている。
現時点で条例を施行していない自治体でも、岩手県、群馬県、石川県、愛知県、三重県、滋賀県、広島県、鹿児島県でも条例制定に向けた動きがあり、計23道県と半数近い自治体が独自のルール整備をしている。