水溶性食物繊維含有量の高いもち麦新品種。

モチモチ感があり麦ごはんの食感を良くするもち麦。従来のもち麦より水溶性食物繊維のβ-グルカンの含有量を2倍に高め、炊飯時の変色が少ないモチ性の六条裸麦品種「フクミファイバー」を、農研機構西日本農業研究センターが育成した。
これまでモチ性大麦(もち麦)の「ダイシモチ」「キラリモチ」を育成してきたが、昨今もち麦の知名度があがり、よりβ-グルカンの含有量の多い品種への期待が高まっていた。そこで新たに育成したのが「フクミファイバー」。
これまで育成された高β-グルカン含量品種「ビューファイバー」「ワキシーファイバー」などの品種はしわ粒で粒の充実が悪く、農作物としての外観品質や精麦加工の際の品質が劣るなどの問題点があった。「フクミファイバー」は、これらの問題点を解消することに成功した品種で、β-グルカン含有率はウルチ性裸麦「イチバンボシ」の約3倍、既存モチ性裸麦「ダイシモチ」「キラリモチ」の2倍程度となり、また、しわ粒ではないため精粒収量が高い。「フクミファイバー」は麦ごはん用のほか、高β-グルカン大麦粉を用いた麺類、菓子類、グラノーラなどへの利用が期待される。