米粉の市場拡大で需要増。供給に不安も。

小麦アレルギーやセリアック病など、グルテンを含む食品の代替として、米粉の需要が増えている。日本米粉協会が発表した調査結果によると、グルテンをほとんど含まない米粉をパンやドーナツ、洋菓子、スナック類、冷凍食品などに使用する範囲が広がっている。政府も「ノングルテン米粉第三者認証制度」を推進するなどし、米粉製品の輸出を支援している。米粉市場の拡大を受け、需要量は2009年の5万tから右肩上がりに増え、2014年にやや減少したものの増加の一途をたどった。2020年度は、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い、グルテンを摂取できない海外からの旅行客が多く訪日することが予想され、宿泊施設や外食産業などで米粉製品の需要はさらに拡大し、3万9,000tに達すると見込んでいる。
これに対し、供給量は2011年の3万7,000tをピークに2016年には1万9,000tまで下がり、ここ3年は2万8,000tで横ばいとなっている。2019年で、すでに約1万tの不足状態であり、需給のバランスが著しく崩れた状態が続いている。この需要に応える供給体制をどう整えるかは、今後の生産体制の課題の一つになっている。