いちご新品種「いちごさん」、DNAマーカーで識別する技術を開発。
2018年に「いちごさん」の名称で商標登録された、佐賀県のイチゴ品種「佐賀i9号」。佐賀県農業試験研究センターは、この「いちごさん」の違法栽培・表示の抑止と育成者権の保護を目的に、DNAマーカーを利用した品種識別技術を確立した。
いちごは品種名が明らかにされて流通するため、品種盗用や不正表示による権利侵害が懸念される野菜。近年では日本のイチゴ品種の海外での違法栽培や、偽装表示により逆輸入されるといった問題が出てきている。
その対策として開発されたのが、品種特異的なレトロトランスポゾン(RT:挿入遺伝因子)を利用したものだ。これは、10種類のDNAマーカーを用いてそれぞれのRTの有無を判定、その組み合わせで、市場流通している35品種のイチゴの識別をするもの。今回、この識別マーカーセットを利用することで、葉などのサンプルから「いちごさん」の識別ができるようになった。また、この識別法ではジャムなどの加工品に関しても識別が可能となる。