生分解性農業用マルチフィルム畑に敷いたまま、酵素で分解を加速。
生分解性プラスチックを分解する酵素を用いることで、生分解性農業用マルチフィルムを、畑に敷いたままで分解を加速させる方法を農研機構が実証。
酵素を散布処理した翌日には壊れやすくなるため、すき込みのタイミングを使用者が選べるようになる。
生分解性プラスチックは、最終的に水と二酸化炭素に分解される高分子化合物。これをマルチフィルムに使用することで、栽培終了後に回収することなく畑にすき込んで分解処理させることができる。
農研機構は、稲の葉や籾に常在する酵母菌「シュードザイマ・アンタークティカ」が分泌する生分解性プラスチックを分解する酵素「PaE」を発見。PaEは生分解マルチ開発当初の素材を分解する。
最近は、分解が遅い最近の生分解マルチの素材を主成分とする製品や、さらに分解が遅い素材を添加した製品が増えている。実証では、これらの素材を使用したマルチでも、PaE溶液で分解されることを確認。また、酵素処理したマルチは分解が加速されることが明らかになった。
生分解マルチと分解酵素を組み合わせて使用することで、分解のタイミングを使用者が調整することができるようになった。これにより、処理労力の低減と、ゴミの削減に役立つとしている。
参考リンク:プレスリリース(農研機構)