原産地表示見直し初年の2022年、シイタケ菌床の輸入量は半減。
2007年から14年連続で増えていたシイタケの植菌済み菌床の輸入量が、2022年は前年比46%減。
円安や物流の混乱などの影響もあるが、大きな要因は原産地表示の見直しがあるとみられる。
シイタケの植菌済み菌床は、2007年には2,000tあまりだったものが年々増加。2011年の東日本大震災での原発事故で国産シイタケが汚染されたことを契機に急増。2020年には3万tを超え、2021年に3万7,131tを記録したが、2022年は2万99tと大幅な減少となった。
これまでシイタケは収穫地を原産地と表示していた。2022年3月に消費者庁が見直しを行い、植菌地を原産地とするよう改められた。輸入菌床の9割以上を中国が占めているため、見直しによりこれらは「中国産」と表示される。
見直しの背景には、原則禁止されているシイタケ種菌が無断で流出、その種菌を使った菌床が逆輸入されているとの指摘がある。
新しい原産地表示は、生シイタケは2022年10月から適用されており、干しシイタケなどの加工品は2023年4月からの適用となる。
参考リンク:財務省貿易統計