冬場に効果的な有機質肥料の施肥。

冬場の低温期に肥効が安定しない有機質肥料の特性を把握し、コマツナ、ホウレンソウなど冬場の葉物野菜に対する効果的な施肥方法を、兵庫県立農林水産技術総合センターが開発。

兵庫県では県内の特産品に対し、食品認証制度を設けている。この中で、化学肥料低減技術として有機質肥料の利用が推奨されているが、気温の低い冬場は化学肥料に比べ肥効が劣る傾向がある。
有機質肥料7種類と、その原料となる鶏糞、大豆油粕粉末など14種類について、無機化特性と窒素無機化量推定プログラムを利用し、実際に測定した地温から窒素無機化量を推定。
その結果、コマツナ、ホウレンソウの冬作型で有機質肥料を播種2週間前に施用し、1平方メートルあたり3リットルの水を撒いた後、ハウスを密閉することで地温を1.8度程度上昇させ無機化を促進させることで、化学肥料と同等の生育、肥効が得られた。
ただし、この結果は畑地転換後5年以内の転換畑土壌(腐植含量3%程度)に基づいている。連作や堆肥連用によって腐植含量が5〜10%と高くなった土壌では硝化が早く、低温期でも施肥由来窒素の肥効が高まると考えられるため、別途検討が必要。

参考リンク:兵庫県立農林水産技術総合センター