みどりの食料システム戦略へ向けて、環境に配慮した「栽培暦」へ見直しの動き。
産地単位で作物ごとに作られる、栽培マニュアルである栽培暦に関し、各地で見直しの動きが出ている。
「みどりの食料システム戦略」を受け、化学農薬や化学肥料の削減につながる実証が進んでいる。
富山県のJAいなばでは、2022年産から水稲栽培に有機質肥料を取り入れることで、化学肥料を減少させる試験を開始。有機質肥料の散布作業を追加し、代わりに化学肥料の散布量を減らすことを想定した栽培暦の見直しを行う考え。
また、プラスティック被覆肥料の代替として、硫黄被覆肥料の実用性も調べる。
岐阜県のJAいび川では、特産の柿で性フェロモン剤を使った防除や、バイオスティミュラント資材を活用することで化学農薬・肥料の低減を実証し、試験結果をもとに栽培暦の直しに着手する。
JA香川県では、2023年産の水稲から新たに堆肥の利用を盛り込んだ栽培暦を活用。
従来の肥料管理を見直し、化学肥料を削減した。
・性フェロモン剤:害虫の交尾を妨げる目的で合成した性フェロモン。交信撹乱剤とも。
・バイオスティミュラント資材:作物から高音・乾燥・冷害や塩害といった「非生物的ストレス」を緩和するためなどで用いられる資材。
参考リンク:環境配慮型農業関連情報(農林水産省)