イトミミズで水田の雑草抑制が可能に。
有機栽培の水田で、雑草の抑制効果があることが知られていた「イトミミズ」による雑草の抑制効果が発揮される条件を、鳥取県農業試験場が解明。
出芽深度の浅いコナギやホタルイでの発芽を抑制することが可能。
イトミミズのふんが堆積すると、細かい粒子で構成された流動性に富む「トロトロ層」が形成される。このトロトロ層が雑草の出芽限界深度(コナギ0.7cm、ホタルイ3cm)より多く堆積することで、発芽を抑制することができる。有機栽培で水稲の収穫量に影響が出ない雑草量は、1平方メートルあたり風乾重量で50g以下。この条件を満たすためには、稲の初期生育に重要な6月上旬以降に、トロトロ層を1日あたり1.3mm以上形成する必要がある。
イトミミズの生息数が異なる複数の水田で、トロトロ層の形成速度と雑草量を比較。トロトロ層の形成速度は生息数が多いほど速く、1日1.3mm以上の形成には、1平方メートルあたり約2万匹以上の生息が必要と確認された。
生息数を増やす条件も検証。入水時期を変えて1年〜3年目の増加傾向をみると、3月入水の田では1年目では必要数に満たないケースもみられたが、2年目では多くの田で必要数を満たした。5月入水では必要数を満たすほど増えず、6月入水ではほとんど増えない結果となった。
今後は、イトミミズの餌となる施肥などを含めた作業体系の確立を目指す。
参考リンク:鳥取県農業試験場