果実・野菜をよく食べる人は、食べない人より死亡リスクが10%低い。
全国の約9万5,000人を対象に、約20年間にわたって追跡した大規模コホート研究によると、果物を多く食べる人は、少ない人より死亡リスクが約8〜9%、心臓血管死亡リスクが約9%低く、野菜を多く食べる人は死亡リスクが約7〜8%低くなるとの結果が出た。
追跡調査は、特定要因の影響を受けた集団と、影響を受けていない集団とを一定期間追跡し、死亡率や病気の罹患率を比較する「コホート研究」の手法を用い、40歳〜69歳で東北〜沖縄の11地域に住む男女9万4,658人を対象に実施。野菜29品目、果実17品目を含む147品目の食材の摂取頻度と摂取量を基に5グループに分け、2018年までの生存を調査。追跡調査中の死亡は2万3,687人。うち、がん死亡が8,274人、心血管死亡が5,978人、呼吸器疾患死亡が1,871人。
野菜と果実の1日の摂取量でグループ分けし、死亡率を割り出して分析。摂取量が最も少ないグループを基準にすると、交通事故など不慮の死や糖尿病などすべての死因を含む「全死亡」は、果実、野菜とも2番目に摂取量の多いグループの死者が少なく、最も多いグループより死亡率が低くなった。
この結果を基に分析をしたところ、1日あたりの目安となる摂取量は野菜が300g以上、果実が140g以上となり、国が推奨する摂取量より少ない。ただ、日本人の平均は今回判明した目安量より少ないので、この結果を食習慣の改善指導などに役立てることが求められる。
参考リンク:プレスリリース(横浜市立大学)