輸入小麦売り渡し価格17%引き上げ。
2022年4月期(4月〜9月)の輸入小麦の政府売り渡し価格は、前期に続き大幅に引き上げられ、主要5銘柄の加重平均で+17.3%の7万2,530円/t。2008年10月期の7万6,030円に次ぐ過去2番目の高値となった。
小麦は、昨年夏の高温・乾草により米国産、カナダ産が不作。また、両国および豪州の日本向け産地で品質が低下。このため高品質小麦の調達価格が上昇。また、主要な小麦輸出国であるロシアの輸出規制とウクライナ情勢不安による供給懸念も国際価格の上昇に影響を与えた。
2021年10月期も19%の大幅な引き上げで6万1,820円/tとなっており、この1年で40%上昇した計算となる。
国家貿易品目である小麦は、政府が輸入し、売り渡し価格を年2回(4月期と10月期)に発表。価格は直近6ヵ月の買付価格に港湾諸経費と国産小麦侵攻に充てる輸入差益(マークアップ)を上乗せして算定する。
国内では昨秋以降、パンや麺など小麦製品の値上げが相次いでいるが、輸入価格の引き上げは更なる値上げにつながる懸念がある。
参考リンク:プレスリリース(農林水産省)