生産緑地制度、地方に拡大へ。
市街化区域内の指定農地に対し農地の保全と良好な生活環境を保つことを目的とし、営農継続などの条件で固定資産税などを減免する「生産緑地制度」の導入が、三大都市圏以外の地方に拡大しつつある。
生産緑地制度の導入は、各市町村の判断による。三大都市圏(首都圏、中部圏、近畿圏)の政令指定都市など三大都市圏特定市の大半で制度が運用されている。2017年の都市計画運用方針の改正で、三大都市圏以外の自治体(地方圏)でも導入するよう明記されたが、地方圏での導入の動きは少なかった。
地方圏でも北関東や岐阜、岡山、広島、福岡などは市街化区域のうちの面積が広い。これらの域内農地は、宅地並みの固定資産税や都市計画税を支払う必要があり、農家の負担が大きく、営農継続の意欲にも影響がある。
来年度に制度を導入する宇都宮市では、農地が幹線道路沿いなどを中心とした市指定の居住誘導地域ではないこと、とする独自要件を追加し、区域外の農地の宅地化を抑制する。
市街化区域内農地面積が1,048haある岐阜市では、JAぎふが制度導入を目指し生産者や行政担当者らが参加するセミナーを開催。賛同者を募るなど取り組みを本格化させている。
都市農地保全のためには地方圏でも制度の導入が望ましいとする国交省でも、導入を検討する市町村などが意見交換する会議を開くなどし、ノウハウの共有を促している。
参考リンク:生産緑地制度(国土交通省)