ミカンの硬さと剥きやすさをAIで解析。

これまで育種家の感性に頼ってきた柑橘類の剥皮性(皮の剥きやすさ)と果実の硬度を、東京大学と農研機構による研究グループが、AIによる画像解析などによって定量化することに成功した。

柑橘類の果実は、外皮、中果皮、じょうのう、果肉、種子、果心(中心部)で構成される。研究では108品種・系統の果実断面の画像を用い、ディープラーニングでAIに学習させた。学習結果を用いて解析したところ、果心の崩壊が進み、空間ができた果実ほど皮が向きやすく実が柔らかい、という関係性が確認された。また、種子の面積と硬度、中果皮の崩壊の状態と皮の剥きやすさが関係していることも判明。
解析の結果から、これまでブラックボックスとされてきた育種家の感性を定量化。これにより果心の崩壊程度や種子面積を改良することで、皮の剥きやすさや果実の硬さをコントロールし、望んだ特長を持つ果実をつける新品種の開発につながるとしている。
今後は、DNAマーカーの情報も組み合わせ、柑橘果実の形態的な特長の遺伝解析を行うことで、剥皮性・果実硬度の解明を目指す。

参考リンク:研究成果(東京大学)