ドローン防除面積12万ha。前年度比1.8倍に。
2020年度は、ドローンを使った防除面積が11万9,500haとなり、前年度比で1.8倍に増加した。ドローン向けの農薬登録数は同12%増。
2016年度の調査開始時には684haだった防除面積は、急速な伸びを見せている。
これにともない散布に使用するドローンの販売台数も大幅に増え、2019年度には1,922台だったが2020年度は5,561台に上った。
薬剤散布ドローンは、農薬散布用無人ヘリコプターより価格が安く、動力散布機より散布量や作業時間を減らせるといった利点がある。これらの周知が生産現場に浸透したことで、活用が広まったとみられる。また、スマート機器を活用したJAの農業支援サービスや、民間企業によるドローンを使った防除の受託などが産地で取り組まれることも増加の理由にあげられる。
ドローンでの散布に適した、少量で効く高濃度の農薬などの2020年度登録数は781件。このうち約7割を稲・麦類向けが占める。一方、傾斜地に園地があるミカンなど、作業負担の軽減が求められている果樹向けは3%の23件にとどまっており、需要に追いついてない。今後の課題として、上空から散布して効果が出る農薬や、傾斜地で均一に散布可能な機体の開発が求められる。
参考リンク:農林水産省