海外流出の優良品種が中国で大規模栽培されている。
「シャインマスカット」など、日本で開発された優良品種が中国で大規模栽培。
中国でのシャインマスカットの栽培面積は、農林水産・食品産業技術振興会(JATAFF)の調べによると、2020年の段階で少なくとも5万3,000ha。日本での栽培面積(2018年時点で1,625ha)の32.6倍以上に上る。ほか、イチゴ「紅ほっぺ」は2019年の時点で4万4,000ha。日本での栽培面積(2018年時点で5,200ha)の8.4倍以上。
農研機構が開発したシャインマスカットは2006年、静岡県が開発した紅ほっぺは2002年に品種登録している。2021年4月施行の改正種苗法では、両品種とも海外への持ち出しに制限が課されているが、施行以前は品種登録をした品種(登録品種)であっても、正規に購入した種苗であれば、一部の国を除き海外持ち出しに制限はなかった。このため、海外に流出した日本の品種が現地で増殖され、栽培面積を拡大していったものとみられる。
改正種苗法では、品種登録出願時に栽培地を国内、あるいは特定の都道府県に限定する条件をつけることができ、条件に反して海外に持ち出した場合に10年以下の懲役などが科せられるようになった。
参考リンク:JATAFF