国産果実の取引価格、10年で2〜4割の上昇。
農家の高齢化や離農、天候不順などによる生産量の減少が影響し、国産果実の取引価格がこの10年間で2〜4割上昇。
相場が低迷する米や野菜と異なり、果実の価格は近年上昇傾向にある。2010年を基準として価格の変遷をみると、2020年の価格は、普通ミカン+23%、リンゴ+25%、サクランボ+34%、ブドウ(デラウェア)+34%の上昇。また、ナシやモモは40%以上の上昇を見せている。モモは2011年と2014年、ブドウ(デラウェア)は2012年と2014年、リンゴは2013年に100を割り込む下降がみられるが、2016年以降は上昇傾向が顕著になった。2021年産も同じく上昇傾向が続く。
価格上昇の主な原因は栽培面積の減少にある。2021年の栽培面積は「みかん」が3万8,900ha。対2010年比で1万ha減、率にして−20.5%。同じく「リンゴ」3万6,800ha(3,700ha減/−9.2%)、「ナシ」1万700ha(3,700ha減/−25.7%)、「モモ」1万100ha(800ha減/−7.4%)、ブドウ1万7,700ha(1,300ha減/−6.9%)と減少している。
産出額では、ナシやカキなどは減少しているが、イチゴやミカンは2割増、リンゴ3割増、ブドウは5割増と大きく伸びている。これは、高糖度や良食味の品種開発により単価が上がり、産出額を伸ばしたためとみられる。
参考リンク:農林水産省