輸入果実の減少で価格逆転。国産果実の引き合いが強まると想定。

コロナ禍による世界的なコンテナ不足や燃油高、急速に進む円安により、輸入果実の取引量が減少し価格が高騰。一部のかんきつ類では国産より輸入の価格が高くなる逆転現象が発生している。

かんきつ類では米国産オレンジなどの不作や入船遅れ、生産・輸送コストの上昇に加え円安の進行により輸入価格が大きく上昇。輸入量も2021年は前年比で12%減少している。東京中央卸売市場では、国産普通ミカンの2月の1kg取引価格が前年同月比+3%/318円だったのに対し、米国産オレンジの「ネーブル」は同+28%/332円と大幅に上昇。レモンも国産の+9%/387円に対し、米国産は+56%/400円となり、国産を上回った。価格の上昇により、小売店では袋売りの個数を減らして価格を維持する、もしくは2割程度値上げをするなどの対応をとっている。
輸入停滞が収束してきても価格が戻らず、商社が輸入を控える可能性もあり、果実輸入の混乱は長期化するとの見方も出てきている。輸入果実の減少とそれに伴う価格高騰は、国産果実を売り込む好機となるが、供給力に課題もみえる。2月の全国大手7卸の国産果実入荷量は、天候の影響から大半の品目で平年を1〜2割下回っている。

参考リンク:東京都中央卸売市場