農家の働き方改革、家族協定最多を更新。
2018年度は前年度比1%(577戸)増の5万8,182戸になり、過去最高を更新したことを農水省は公表。毎年3万戸を超える家族経営体が減少する中で、1,665戸が新規に締結した。「家族経営協定」は、女性が働きやすい環境づくりや農業者の働き方改革を進めるため、政府は協定締結を推進している。
都道府県別にみると、北海道(5,770 戸)、熊本(3,831戸)、栃木(3,751戸)、長野(3,025戸)、茨城(3,002戸)の順で締結農家数が多い。
前年からの増加数をみると、長野(91戸、3.1%増)、宮崎(91戸、4.7%増)、栃木(84戸、2.3%増)、熊本(81戸、2.2%増)、千葉(80戸、4.2%増)の順に多くなっている。 増加の要因として、青年等就農計画及び農業経営改善計画の夫婦共同申請時の締結、農業者年金の加入時の締結などが挙げられる。また、市町村、農業委員と連携した普及推進など地域による創意工夫により、締結に結びついた事例もみられる。
多かった取り決め内容としては、「農業経営の方針決定」(92.8%)、「労働時間・休日」(92.7%)、「農業面の役割分担(作業分担、簿記記帳等)」(81.2%)、「労働報酬(日給・月給)」(74.9%)などとなっている。
一方、高齢化による離別や離農、廃業、法人化などで解消する農家が多く、「家族経営協定」締結率は近年の伸び率は1%前後。ただ、新規締結する農家も多くあり、締結農家数は毎年少しずつ増えている。政府が掲げる「2020年までに締結農家数7万戸」の目標達成は難しい状況だが、農業次世代人材投資事業の優遇制度など締結のメリットを周知し、若い夫妻を中心に締結を推進していく考えだ。