鹿児島にミカンコミバエ幼虫、本土で初めての確認。

柑橘類など生果実に甚大な被害を与え、輸入禁止対象病害虫に指定されている害虫「ミカンコミバエ」の幼虫が、鹿児島県南大隅町で見つかった。幼虫が九州本土で確認されたのは初めて。

ミカンコミバエは中国、台湾、東南アジアなどに生息する、成虫で体長7mm程のコバエ。日本では南西諸島、小笠原諸島に分布していたが、1986年に根絶。毎年、台風などの強風に乗って中国大陸から成虫が飛来することが確認されている。今回幼虫が発見されたことにより、国内で繁殖していると考えられる。幼虫は果実を加害し、ひどい場合には収穫が皆無となるほどの被害をもたらす。2015年に奄美大島で侵入・定着がみられた際には、島特産のタンカンが約1,500t廃棄処分となった。
9月25日に民家にある柿とグアバの果実から幼虫を発見。以降9月28日までに設置したトラップにかかった成虫は25匹。2015年の奄美大島では数百匹発見されているため、まだ緊急防除を検討する段階ではないとしているが、翌29日からは雄を捕える誘殺板の設置を開始。1週間ほどかけ1万200haにヘリコプターを使って撒き、また雌雄どちらの成虫にも効果のあるベイト剤を使用し定着防止に努める。

参考リンク:植物防疫所