ミカンコミバエの飛来を確認。

かつて先島諸島、沖縄諸島、奄美諸島、小笠原諸島に定着し、1986年に根絶した、かんきつ類の重要害虫「ミカンコミバエ」が、沖縄、九州で確認された。

ミカンコミバエは東南アジアに分布する、体調7〜8mmのハエ。温暖な地域では通年繁殖し、1世代は約1ヵ月。メスは1回に10個以上、1世代に最大1,000個ほどの卵を産む。幼虫はかんきつ類、グァバ、マンゴー、パパイヤ、トマトなどの果実を食害する。1919年には沖縄県全域に侵入。奄美諸島では1929年、小笠原諸島では1925年頃に確認されている。1986年までに根絶し、国内での発生はないが、台風等の強風に乗って飛来することが確認されている。
2021年は、沖縄県石垣市など15市町村、鹿児島県薩摩川内市など11市町村、佐賀県小城市など2市、福岡県福岡市など3市、熊本県天草市など3市町、長崎県長崎市など9市町ほか、名古屋港、東京港で確認。
防除は、誘引物質および殺虫剤を染み込ませた誘殺板の設置、散布によるオス成虫の除去を行う。また、不要な果実の撤去の徹底などを行うよう呼びかけている。

参考リンク:ミカンコミバエ(侵入生物データベース)