2019年度の熊捕獲数が過去最多に。人的被害も。

2019年度の熊の捕獲数は、餌となるドングリが全国的に凶作だったこともあり、前年比1.8倍の6,285頭と過去最多を記録。餌を求めて熊が活動的になるため、人的被害も140件に上った。2020年度も7月の時点で1,941頭を捕獲。増加傾向にある事が分かった。

2019年度の捕獲数は、公表されている2008年以降では最も多い。都道府県別に見ると、北海道が756頭と最も多く、次いで新潟県・福島県の556頭、秋田県の533頭、岐阜県の490頭が続く。新潟県は前年比4.2倍、福島県は同2.2倍、岐阜県は同5倍と大幅な増加。月別では8月が1,348頭(前年比1.5倍)と最も多く、次いで9月の1,129頭(同2.8倍)。
熊の餌となるドングリなど堅果類は、2019年秋は各地で凶作となった。情報提供のあった25都道府県のうち、ブナは24都道府県、ミズナラは14道府県で凶作。このため餌を求めて動き回る熊が人間と遭遇し、襲うケースが多くなった。被害は秋以降が多く、9月が22件、10月は33件、11月は22件に上る。
調査を取りまとめた環境省は、傷があるなどの理由で出荷しない果実や野菜を農地に残したり、家庭の生ゴミを屋外に放置するなどの行動が熊を誘い込む要因になるとし、この秋の侵入防止対策の徹底を促していく。

参考リンク:環境省