19年産12月の民間在庫、生産減少するも過去5年で最多に。

2019年産米の民間在庫量が、過去5年の中で最も多い水準に積み上がっている。主食用米の作付面積はほぼ横ばいの138万ha、収穫量は726万tとこの5年で最低水準となったが、卸の民間在庫量は57万tと前年同時期比8%増。
収穫量が前年比6万6,000t減となったのに対し在庫量が前年より増えているのは、米の消費低迷が原因。総務省の家計調査から、世帯人数2人以上の1世帯あたりが年間に購入した米は62kgと前年より5%低下している。月別では小売店頭が19年産に切り替わった10月以降の落ち込みが特に大きい。これは10月に施行された消費税増税による節約志向があるとみられ、低価格帯では業務用、家庭用に動きがあるものの、全体としては販売がふるわない。この販売低迷は、需給安定の懸念材料となってきている。このまま在庫潤沢の状況が続けば、20年度産米の需給や販売に影響を与える可能性が出てくる。20年度の適性生産量は708万〜717万tとされるが、生産量の目安はそれを上回る見込み。今後、一層の販売促進と転作強化が求められる。