米粉「第2次ブーム」盛り上がる。
製粉と食品加工技術の向上や、米粉用米の品種開発を背景に、米粉の需要が大きく伸びている。需要も生産も増え、国内だけでなくノングルテン市場が急成長している欧米への輸出も進められている。
米粉が最初にブームとなったのは2009年。それまで団子などの原料となる、粒子の粗い上新粉が主流だったが、小麦粉と同等の微細分に砕いて小麦粉の代替と位置付け、食料自給率の向上を狙った。同年に施行された「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」により供給量が急増したが、当時は粉砕時にデンプンが壊れる主食用米が使われていたため、パンを作っても膨らまず、米粉限界論が生まれ生産量が急減。需要も横ばいとなった。
その後、米粉用途に向いた「ミズホチカラ」や「こなだもん」などの米粉用米が登場。2017年には消費者が目的に応じて米粉を選べるよう用途別基準が定められた。2018年には需要が前年度比25%増の3万1,000tとなり、5年ぶりに過去最多を更新。この年を起点として第2次ブームに突入。2019年度は3万6,000tと伸び、2020年度はコロナ禍で一時停滞し同等量になったが、2021年度には4万tを超えた。2018年にノングルテン第三者認証制度が導入され、海外輸出も増加。2022年1月、2月の米粉輸出量は、すでに2021年1年間の3倍近くに達している。
輸入小麦の高騰により、米粉への注目は更に高まっているが、より一層の需要拡大のためには専用品種や加工技術の活用が望まれる。
参考リンク:広がる!米粉の世界(農林水産省)