10a当たり673kg、多収もち麦の新品種「きはだもち」誕生。
農研機構は、メタボリックシンドローム改善効果成分である水溶性食物繊維「β-グルカン」を多く含むもち麦(もち性大麦)の新品種「きはだもち」を開発した。関東から東海地域向けの皮性の六条大麦で、多収で、オオムギ縞萎縮病に強い、穂発芽しにくい、倒伏しにくいという特徴を持つ。
もち性で食感が良く、優れた健康機能性を持つもち麦の需要の急増に対して国内でのもち麦の生産量が圧倒的に不足しているため、現在、需要量の約9割が外国からの輸入麦で賄われている。消費者の根強い国産志向に応え、もち麦の国内生産の拡大を図るためには、病害に強く、従来の一般的なうるち性大麦と同等以上の収量を持つもち性大麦品種の育成が重要だった。
栽培適地は主に関東から東海地域の無雪地帯で、千葉県と栃木県内で栽培が始まっている。国産もち麦の生産拡大に貢献するとともに、もち麦を原料とした各種製品の開発による町興しや6次産業化による地域農業の活性化に貢献することが期待される。