かいよう病に強いレモン新品種「璃の香(りのか)」を開発。

消費者のニーズの高まりから、国産レモンの生産量が拡大傾向。ただ、レモンは柑橘類の中で最も「かいよう病」(病原細菌の感染により葉、果実などにコルク化した病斑を形成。有効な薬剤が少ない柑橘類の最重要病害)に弱い。農研機構はかいよう病に強く、加工適正の改良された新品種レモン「璃の香(りのか)」を育成。従来のレモン品種より果実が大きく、約1カ月早い11月下旬から収穫可能。果皮が薄く、まろやかな酸味が特徴。
璃の香は既存品種のリスボンレモンやマイヤーレモンと比較し、果皮の厚さは3mmと薄く、香りはやや少ない。果実は一回り大きく、果肉歩合79%、搾汁率50%と歩留まりが高い。果汁は糖度9.2%、酸の含量5.6%程度とまろやかで、種子が少なく、種無しの果実もある。収量性はリスボンレモンの2倍程度と高い。
試作試験は、神奈川、三重、和歌山、広島、香川、長崎、宮崎、鹿児島で行われ有望と評価された。今後全国的に普及が進むと見込まれる。

参考リンク:農研機構