世界の食料需給、穀物の生産量は2年連続で減少の見込み。
「食料・農業・農村白書」では「世界の食料需給の動向(予測)」を報告。
2018/19年度の世界の穀物全体の生産量は、とうもろこし等が増加するものの、乾燥等の影響により小麦が減少することから、前年度に比べて0.1億t(0.4%)減少し、26.1億tとなり2年連続で減少。
消費量は、開発途上国の人口増加、所得水準の向上に伴い、近年、一貫して増加傾向、前年度に比べて0.4億t(1.5%)増加し、26.4億tとなる。
期末在庫量は前年度から0.3億t減少し、期末在庫率は29.5%と前年度(31.3%)を下回る。
2018/19年度における品目別世界の穀物生産量を見ると、小麦は、米国等で増加するものの、EU、ロシア、豪州、中国等で乾燥の影響を受け減少することから、前年度に比べて3.9%減少し、7.3億tとなる。
とうもろこしは、米国、南アフリカで減少するが、アルゼンチン、ブラジル、ウクライナ等で降雨に恵まれ増加することから、前年度に比べて2.3%増加し、11.0億tとなる。
米は、インド等で増加することから、前年度に比べて1.3%増加し、5.0億tとなる。
大豆は、アルゼンチン、米国等で増加することから、前年度に比べて5.8%増加し、3.6億tとなる。
生産量が消費量を上回った米、大豆の期末在庫率は、前年度に比べて上昇し、それぞれ35.0%、30.8%となる一方で、消費量が生産量を上回った小麦、とうもろこしの期末在庫率は、前年度より低下し、それぞれ36.5%、27.2%となる見込み。
国際価格については、主要生産国での天候不順等により、2008年には小麦と米が、2012年にはとうもろこしと大豆が過去最高水準を記録したが、その後は、世界的なとうもろこし等の豊作や南米での大豆の増産等のため、全般的に低下傾向で推移している。