世界の気温、2021~2040年に1.5度上昇と予測。
世界の気温は、産業革命前と比べ2021〜2040年に1.5度上昇するとの予測を、国連の気象変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表。気温上昇を抑える難しさが改めて浮き彫りに。
地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定では、気温上昇の2度未満を目標とし、努力目標として1.5度以内を掲げている。達成に向け先進各国は愛類で温暖化ガスの新しい削減目標を表明しているが、IPCCの2018年報告書の想定(2030〜2052年)より10年早くなっている。これは、新たに北極圏のデータも活用し、予測モデルを改良したことによる。
気温の上昇幅に関して、IPCCは5つのシナリオを示した。最善の場合でも2041〜2060年に1.6度の上昇。化石燃料への依存が続くと仮定した最悪の場合では2041〜2060年に2.4度、2081〜2100年に4.4度の上昇を見込む。
平均気温が1.5度上昇すると、熱波など極端な高温の発生率は現在の8.6倍、極端な大雨は1.5倍、農業被害をもたらす干ばつは2倍となる。2度上昇では、熱波が13.9倍、大雨が1.7倍、干ばつは2.4倍にまで広がると予測。
1850〜2019年の二酸化炭素排出量は累計で2390ギガt。気温上昇を1.5度以内に抑えられる排出余地は400ギガtと推計される。現在の排出量(年30〜40ギガt)では、10年程度で1.5度に達するため、気候変動リスクを正面から受け止め、対策を急ぐ必要がある。
参考リンク:経済産業省