遺伝子組み換え、GM米の商業栽培が世界で初めてフィリピンで認可。
世界で初めて遺伝子組み換え(GM)米「ゴールデンライス」の商業栽培が、フィリピンで認可された。バングラデシュも商業科栽培を目指すなど、今後他国の動向が注目される。
「ゴールデンライス」は、国際稲研究所(IRRI、本部:フィリピン)とフィリピン農業省が共同で開発。洪水と乾燥の両方に耐性のある「RC82」米に、トウモロコシ遺伝子を組み込むことで、ビタミンAに転換されるβカロテンを含むという特徴を持つ。世界の5歳未満のうち、約2億人がかかっているビタミンA欠乏症対策のために開発された。すでにオーストラリア、米国、カナダの食品安全規制当局により安全であると評価されているが、商業栽培の認可は下りていない。
バングラデシュでは食品安全審査の最終段階に入っており、審査が通れば認可が下りると思われる。
GM農作物は、これまで飼料用トウモロコシ、大豆、ワタと植物油用のセイヨウナタネの4種類が商業栽培されており、米国、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、インドで全栽培面積の91%を占めている。日本では、稲、トウモロコシ、大豆など13のGM農作物の栽培実験が承認されており、スギ花粉アレルギーへの免疫力を上げるスギ花粉ペプチド含有稲や血圧降下作用を有すノボキニン含有稲などの栽培実験が行われている。
参考リンク:農林水産省