「地球上で最悪の侵略的植物」と呼ばれる外来水草「ナガエツルノゲイトウ」被害が深刻に。 

繁殖力が強く、一度侵入すると根絶が困難になるが21府県で確認がされた。

ナガエツルノゲイトウは南米原産で水辺の湿った環境に生える多年草で、水中〜陸上まで生育できる。塩分や乾燥に強く、日当たりの良い肥沃な土地では急激に増殖する。茎は空洞で水に浮き、流れ着いた先で繁殖。2cm程度のちぎれた茎や根の切れ端からでも再生し、増殖する。
国内で初めて確認されたのは1989年。兵庫県尼崎市で採集された。以降、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、静岡県、三重県、滋賀県、奈良県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、山口県、徳島県、香川県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県の21府県で確認されている。
農業関連では、ちぎれた茎や根の塊が水路や揚水ポンプを詰まらせる被害が大半だが、水田など農地に侵入し、水稲を倒伏させるなどの被害も出している。
アメリカではアザミウマなどを利用した天敵導入での防除が行われている。日本国内では遮光シートを掛け、光合成を妨げて枯殺し繁殖を抑え込む方法が取られているが、駆除するまで数年かかるという。

参考リンク:日本の外来種対策「ナガエツルノゲイトウ」(環境省)