イネ稲こうじ病の対策を体系化。3年で防除が不要に。

これまで防除が難しいとされてきた、穂に黒い病粒を作る「イネ稲こうじ病」の防除技術が開発され、その標準作業手順書が公開。

イネ稲こうじ病は北海道を除く全国で、過去10年のうち5年で10haを超える面積で発生。収穫期近くになって発生がわかってからでは防除できないことが知られていた。農薬による防除も可能だが、薬剤防除の適期が出穂前の限られた期間のみのため、的確なタイミングでの処理が非常に困難だった。そこで「発生しにくい土壌環境を構築する」防除技術の開発に取り組んだ。
まずイネ移植前の圃場に「転炉スラグとその粒状資材」「生石灰(粒状苦土生石灰)」を散布し土壌混和し、発生しにくい環境を作る。その後、新たに開発した「1km-メッシュ農業気象データ版イネ稲こうじ病の薬剤散布適期連絡システム」からの電子メールで受け取った薬剤散布の適期情報に従って薬剤を散布。これを3年繰り返すことで、発生を減少させることができ、防除不要になることが期待される。
標準作業手順書は、農研機構のWebサイトから入手可能。

参考リンク:プレスリリース(農研機構)
     :標準作業手順書