フローラルな甘い香りを持つ茶の新品種を開発。
お茶の香りに対する消費者の嗜好は多様化。特に若い女性は花のような香りを好む傾向が見られる。
フローラルな甘い香りを持つ茶の新品種「90−2−213」は、「するがわせ」と「きょうみどり」を交配した品種。10aあたりの収量は「やぶきた」と比べ一番茶で42%増、年間で74%増。香りを引き出す「萎凋(いちょう)」工程を加えた「香り緑茶製法」で製造すると、さわやかな花の様な香り、甘いクリームの様な香りが出た。
品質評価では、「やぶきた」対比指数で総合点では一番茶97、二番茶104と良好で、香気は一番茶105、二番茶133と優れている。同じ静岡県産で香りが特徴の品種「香駿」と比べると、香りの主要8成分の含有量が一番茶で5割程度多い。
消費者の嗜好調査では、75%が「90−2−213」の香りを「好き」「やや好き」と回答している。
静岡県では茶葉栽培面積の91%を「やぶきた」が占めており、新品種は香味の画一化を緩和するものと期待される。
参考リンク:静岡県農林技術研究所 茶業研究センター