クモの糸を超えるミノムシの糸、強さの秘密を科学的に解明

天然繊維で最強と言われてきたクモの糸を上回るミノムシの糸の強さは、高度に形成された秩序性階層構造に起因することが明らかになった。

ミノムシの糸は、天然繊維で最強と言われてきたクモの糸よりも、弾性率、破断強度、およびタフネス3のすべてにおいて上回ることから、新たな工業用繊維としての利用が期待されていた。農研機構と興和株式会社は昨年、ミノムシの糸を真っ直ぐ長く連続的に採糸することに成功したことを発表。農研機構と豊田工業大学は、ミノムシの糸の強さの秘密を探るため、ミノムシの糸の成分であるタンパク質の1次構造や2次構造、高次構造を詳しく調べた結果、ミノムシの糸の強さは、高度に形成された秩序性階層構造に起因するという、ミノムシ糸の強さのメカニズムが解明されたことにより、民間企業が目指すミノムシ糸の産業化に一歩近づいた。