アフリカで深刻な食料危機。FAOが国連に緊急支援を要請。
気候変動や紛争による作物被害に加え、サバクトビバッタや新型コロナウイルス感染拡大により、アフリカ諸国が深刻な食糧危機に直面している。国連食糧農業機関(FAO)は緊急支援を国連安全保障理事会に要請。世界各国の支援を求めている。
エチオピア、ソマリア、ケニアなど東部アフリカ諸国では、サバクトビバッタの大発生により農作物に深刻な被害を受けた。ソマリアでは7〜9月に350万人が食料不足に直面。アフリカ中央に位置する人口約8,900万人のコンゴ民主共和国では、2,180万人が十分な食料を得られない状況。北東のスーダンでも960万人が人道支援を必要としている。ナイジェリア北部では6〜8月にかけ870万人が食糧危機に直面した。これは、紛争のため記録的な危機だった2019年より73%多い。
地球温暖化が進み気温が上がることで、アフリカ近海でも海洋水の蒸発が盛んになり、熱帯低気圧が発達し強風を伴う雨が砂漠地帯で増加。この雨で害虫が繁殖し、広範囲で作物に被害をもたらしている。
国連は2月に東部アフリカ諸国に1,000万ドル(約10億円)を拠出し、食料・農業支援をしている。今回FAOの要請を受け、安保理は支援を継続する。